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中国大陸における外資全額出資での職業訓練学校の設立方法について

关于在中国大陆设立外商独资职业培训学校的方法(日文版)

 

中国大陸における外資全額出資での職業訓練学校の設立方法について

201988日版

 

Peace Culture (Shanghai) Translation Co., Ltd.

和文(上海)翻訳有限公司

 

1.はじめに

 2015年より、中国大陸では自由貿易試験区内(以下、区内とする)に限り、営利的職業訓練公司という会社設立の形で、外資の持ち株比率100%実質的な「学校」を設立することが法律上可能になっており(ただし登記上、学校等に類する名称は使えないものの)、実際に設立成功事例があります。中国大陸で教育業界は当局にとってセンシティブな扱いであり、内資であっても許可の取得はなかなか難しい中で、実力のある外資の参入については奨励類として当局も期待していると言えるでしょう

 

2.法的根拠

2.1.現行教育法制の中の渉外条項

2.1.1.法律

 現行の法体系において外資系の教育訓練分野への投資基本的に中外合作前提として成り立っています

 「中華人民共和国教育法」(1995年公布、施行、2009年、2015年改正)第671「国は教育の対外交流と合作の展開を奨励し、学校およびその他の教育機関が良質の教育資源を引き入れ、法により中外合作弁学を展開し、国際教育サービスを発展させ、国際的人材を育成することを支持する」となっています(第2項は省略)

 「中華人民共和国民営教育促進法」(2002年公布、2003年施行、2013年、2016年に改正)第66「国外の組織と個人の中国国内における合作弁学の弁法は、国務院が定める」となっています。

 「中華人民共和国高等教育法」 (1998年公布、1999年施行、2015年、2018年改正)第36「高等学校は国の関連規定により、国外高等学校との間の科学技術文化交流と合作を自主的に展開する」となっています。

 「中華人民共和国職業教育法」(1996年公布、施行)第21「国は事業組織、社会団体、その他の社会組織および公民個人が国の関連規定により職業学校、職業訓練機関を設置することを奨励する。国外の組織および個人が中国国内において職業学校、職業訓練機関を設置する弁法は、国務院が定める」とあり、第35「国は企業、事業組織、社会団体、その他の社会組織および公民個人の職業教育に対する奨学援助を奨励し、国外の組織および個人が職業教育に対する援助と寄贈提供することを奨励する」となっています

 

2.1.2.条例

 「中華人民共和国中外合作弁学条例」(2003年発布、施行、2013年、2019年改正)第12「職業技能訓練を実施する中外合作弁学機関の設立申請は、設立予定機関所在地省、自治区、直轄市人民政府労働行政部門が審査批准する」とあり、第13条第3「中外合作弁学機関の設立は設立準備と正式設立の二段階に分かれるただし、弁学条件を備えており、設置基準に達している場合は、正式設立を直接申請することができるとあり、62「外国教育機関、その他の組織または個人は中国国内において中国公民を主たる募集対象とする学校およびその他の教育機関を単独では設立してはならない」となっています。

 「中華人民共和国民教育促進法実施条例」(2004年発布、施行)第53「本条例定める援助と奨励措置は中外合作弁学機関に適用する」となっています。

 

2.1.3.その他

 「中華人民共和国中外合作弁学条例実施弁法」(2004年発布施行2016年改正、教育部令第20)第59「工商行政管理部門において登記登録する営利的中国訓練機関と外国の営利的教育訓練公司が合作して行う教育訓練の活動には、本弁法を適用しない」となっています。

 「中外合作職業技能訓練弁学管理弁法」(2006年公布施行、2015年改正、労働及び社会保障部令第27号)第58「外国教育機関、その他の組織または個人は中国国内において中国公民を主たる募集対象とする職業技能訓練機関を単独では設立してはならない」とあり、第57条に「工商行政管理部門において登記登録する営利的中外合作職業技能訓練機関の管理弁法は、国務院の定めにより執行する」となっています。

 上記からは、当局の慎重さが感じられ海外からの教育事業者、営利目的の教育事業者には、内資、非営利事業者とは異なる扱いを想定しており、渉外教育は中外合作が原則となっていることが見受けられます。

 

2.2.渉外行政規制体系の中の教育関連条項の変遷

2.2.1.外商投資産業指導目録

 1997年改正、1998年施行の「外商投資産業指導目録」では「制限外商投資産業目録」の中の「内外貿易、旅行、不動産およびサービス業(外商独資を認めない)」に「合作弁学(基礎教育を除く)」が記載されているのみで、「奨励外商投資産業目録」と「禁止外商投資産業目録」の中に教育関連の記載はありませんでした。

 200112月に中国大陸がWTOに加盟した後に迎えた2002年版(国弁函[2002]17号)では「奨励外商投資産業目録」の中の「教育、文化芸術および放送映画テレビ業」に「高等教育機関(合弁、合作に限る)」が、「制限外商投資産業目録」の中の「教育、文化芸術および放送映画テレビ業」に「高等学校段階教育機関(合弁、合作に限る)」が、「禁止外商投資産業目録」の中の「教育、文化芸術および放送映画テレビ業」に「基礎教育(義務教育)機関」が記載されました。

 2004年版(2005年施行、商務部令第24号)では変化はなく、2007年版(国家発展及び改革委員会、商務部令第57号)では「奨励外商投資産業目録」の中の「教育」に「高等教育機関(合弁、合作に限る)」が、「制限外商投資産業目録」の中の「教育」に「普通高等学校教育機関(合弁、合作に限る)」が、「禁止外商投資産業目録」の中の「教育」に「義務教育機関、軍事、警察、政治および党校等の特殊分野教育機関」が記載されました。この内、「制限外商投資産業目録」の表現の変化については、普通高等学校のみが制限として残り、職業高等学校は制限から外れたと考えるべきでしょう。

 2011年版(国家発展及び改革委員会、商務部令第12号)では「奨励外商投資産業目録」の中の「教育」に新たに「職業技能訓練」が加わる一方で、「制限外商投資産業目録」の中の「教育」は「普通高等学校教育機関(合作に限る)」となり、「合作」だけが残って「合弁」の2文字が削除されました。「禁止外商投資産業目録」は内容に変化はありませんでした。

 2015年版(国家発展及び改革委員会、商務部令第22号)では「奨励外商投資産業目録」の中の「教育」は「非学制類職業技能訓練機関」という1項目のみになり、「制限外商投資産業目録」の中の「教育」は「高等教育機関(合作、中国側の主導に限る∗)」「普通高等学校教育機関(合作、中国側の主導に限る)」「就学前教育機関(合作、中国側の主導に限る)」と3項目に増えました。「高等教育機関」が奨励類から制限類に転落しただけではなく、さらに欄外に脚注をする形で「∗中国側の主導とは、校長または主たる事務責任者は中国国籍を保有していなければならず、中外合作弁学機関の理事会、董事会または連合管理委員会の中国側構成員は1/2を下回ってはならない(以下同様)」となりました。これは、外資ネガティブリストの形で、区内で緩和を進めるにあたって、区外では逆に厳格化したと考えるべきでしょう。「禁止外商投資産業目録」は内容に変化はありませんでした。

 2017年版(国家発展及び改革委員会、商務部令第4号)では「奨励外商投資産業目録」の中の「教育」で「非学制類職業訓練機関」と表現がやや短くなり、「技能」の二文字が削除されました。また、従来の「制限外商投資産業目録」と「禁止外商投資産業目録」は「外商投資産業指導目録」の中に設けられた「外商投資参入特別管理措施(外商投資参入ネガティブリスト)」を構成する要素となりました。内容としては、「制限外商投資産業目録」の中で「就学前、普通高等学校および高等教育機関(中外合作弁学、中国側の主導に限る)∗」となった一方、欄外の脚注の内容に変化はありませんでした。「禁止外商投資産業目録」は「義務教育機関」のみの記載となりました。

 最新版は「外商投資産業指導目録」という形ではなく、直接「奨励外商投資産業目録(2019年版)」(国家発展及び改革委員会、商務部令第27号)という形で発布され、従来の「制限外商投資産業目録」と「禁止外商投資産業目録」は外資ネガティブリストに完全に移行したといえるでしょう。この内、「全国奨励外商投資産業目録」には引き続き「非学制類職業訓練機関」が記載される一方で、「中西部地区外商投資優勢産業目録」の中で、「内蒙古自治区」「吉林省」「黒竜江省」「海南省」「重慶市」は「就学前、普通高等学校および高等教育機関」、「安徽省」は「高等教育機関」のみ、「河南省」「陝西省」は「就学前、普通高等学校および高等教育機関」に加えてさらに「中等高等職業学校(技工学校を含む)」が記載されています。よって、上記の地方に投資するならば、とりわけ歓迎されると言えるでしょう。

 

2.2.2.ネガティブリスト

2.2.2.1.区内版外資ネガティブリスト

 中国大陸において初めて自由貿易試験区が設置された2013年の「中国(上海)自由貿易試験区外商投資参入特別管理措施ネガティブリスト)(2013年)」(府発〔201375号)では「教育」の第1条に「営利的教育訓練機関、職業技能訓練機関への投資は合作に限る」、第2条に「非営利的就学前教育、中等職業教育、普通高等学校教育、高等教育等の教育機関、および非営利的教育訓練機関、職業技能訓練機関への投資は合作に限り、分支機構の設立を認めない」、第3条に「義務教育、および軍事、警察、政治、宗教および党校等の特殊分野教育機関への投資を禁止する。営利的就学前教育、中等職業教育、普通高等学校教育、高等教育等の教育機関への投資を禁止する」と記載されました。その翌年の2014年改正版(上海市人民政府公告2014年第1号)でも、表現上の語気がやや強まっただけで同じ内容が引き継がれ、中外合作弁学の形が堅持されていました。

 2015年になると、上海以外にも自由貿易試験区が設置され、2015年版「自由貿易試験区外商投資参入特別管理措施(ネガティブリスト)」(国弁発〔201523号)と名称からも上海が削除され、上海当局ではなく、国務院弁公庁からの発布になりました。その中の第93条に「外国教育機関、その他の組織または個人は中国公民を主たる募集対象とする学校およびその他の教育機関を単独では設立してはならない(非学制類職業技能訓練を含めない)」と括弧書きの例外規定が追加になったことで、外資独資による非学制類職業技能訓練機関の設立に道が開かれました。第94条は「外国教育機関は中国教育機関と合作にて中国公民を主たる募集対象とする教育機関を設置することができ、中外合作弁学者は各レベル各類の教育機関を合作にて設置することができるが、(1)義務教育を実施する機関、および軍事、警察、政治および党校等の特殊分野教育を実施する機関を設置してはならない。(2)外国宗教組織、宗教機関、宗教学校および宗教教職員は中国国内において合作弁学活動に従事してはならず、中外合作弁学機関は宗教教育の実施と宗教活動の展開をしてはならない。(3)普通高等学校教育機関、高等教育機関および就学前教育は制限類に属し、中国側が主導しなければならない(校長または主たる事務責任者は中国国籍を保有し、中国国内に定住していなければならず、理事会、董事会または連合管理委員会の中国側構成員は1/2を下回ってはならない。教育教学活動と授業の教材については中国関連法律法規および関連規定を遵守しなければならない)」という記載であり、各種教育についても禁止分野を除いて中外合作の形をとれば投資可能ということを述べたものと解することができます。2017年版でこれらの内容は、上記2015年版第94条(3)の中の「制限類に属し」という表現が削除される等の若干の修正がなされながらも、基本的にほぼ同様の内容が引き継がれました。

 2018年版(国家発展及び改革委員会、商務部令第19号)では第35条に「就学前、普通高等学校および高等教育機関は中外合作弁学に限るものとし、中国側が主導しなければならない(校長または主たる事務責任者は中国国籍を保有し(かつ中国国内に定住しており)、理事会、董事会または連合管理委員会の中国側構成員は1/2を下回ってはならない)。(外国教育機関、その他の組織または個人は中国公民を主たる募集対象とする学校およびその他の教育機関を単独では設立してはならないが(非学制類職業技能訓練を含めない)、外国教育機関は中国教育機関と合作にて中国公民を主たる募集対象とする教育機関を設置することができる。)」、第36条にて「義務教育機関、宗教教育機関への投資を禁止する」という記載になりました。現行の2019年版区内外資ネガティブリスト(国家発展及び改革委員会、商務部令第26号)でも同じ内容が引き継がれています。

 以上をまとめると、2015年以降、非学制類職業技能訓練については、営利を目的とする会社の形態であれば、自由貿易試験区内に限り、外資独資でも許可を取得して職業技能訓練公司を設立することが可能となっています。

 

2.2.2.2.全国版外資ネガティブリスト

 上記で述べたとおり、2017年版「外商投資産業指導目録」の中では後半の部分に「外商投資参入特別管理措施(外商投資ネガティブリスト)」が追加されており、従来の「制限外商投資産業目録」と「禁止外商投資産業目録」は「外商投資産業指導目録」の中で外資ネガティブリストを構成する要素となっており、詳細につきましては、上記と重複になるため、ここでは割愛します。2018年版(国家発展及び改革委員会、商務部令第18号)と現行の2019年版(国家発展及び改革委員会、商務部令第25号)でも表現が若干整えられただけでほぼ同じ内容になっています。

 区内版外資ネガティブリストとの大きな違いは、「外国教育機関、その他の組織または個人は中国公民を主たる募集対象とする学校およびその他の教育機関を単独では設立してはならないが(非学制類職業技能訓練を含めない)」という例外規定の記載が無いことであり、この点により現在区外では独資での設立はできません。ただし、中外合作の形であれば設立可能です。

 

2.2.2.3.全国版内外資統一ネガティブリスト

 2018年には、内資と外資双方に適用される「市場参入ネガティブリスト(2018年版)」(発改経体〔20181892号)も発表されました。この中で「許可参入類」として、「教育」に「就学前教育、初等教育、中等教育、高等教育(独立学院、民営学校を含む)を実施する学校、自学試験の受験支援およびその他の文化教育を実施する学校および教育機関の設立、変更および終止審査批准」「職業技能試験検定機関設立審査批准」「職業技能を主とする職業資格訓練、職業技能訓練を実施する民営学校の設立、変更および終止審査批准」「民営学校設置者変更審査批准」「外国籍人員子女学校設置、民営学校弁学許可審査批准」「専門的トラクター運転訓練学校、運転訓練クラスの設置は関連資格を取得しなければならない」「警備員訓練許可証発行」等が、「交通運輸、倉庫および郵政業」に「車両運転者訓練機関経営許可」「訓練機関による船員、水先案内人訓練業務への従事審査批准」「飛行訓練センター、民用航空機パイロット学校、民用航空保全技術人員学校、飛行運航管理者訓練機関合格査定」等が記載されています。よって、上記等の教育関連事業に投資する場合は、外資のみならず、内資であっても許可が必要です。また、「市場参入と関連する禁止規定」も追加されており、軍事教育等のセンシティブな教育分野についてはこの中に記載され、外資ネガティブリストの中からこれらの記載が消えたとしてもここに移行したからであり、緩和というわけではありません。詳細についてはここでは割愛します。また、これより先の2016年より天津、上海、福建、広東で試行された「市場参入ネガティブリスト草案(試点版)」(発改経体〔2016442号)の内容は、当時まだ取り消しになっていなかった「自費出国留学仲介サービス機関資格認定」等が記載されていました。詳細についてはあまり重要ではないため、ここでは割愛します。

 

2.3.上海行政許可手続きにおける告知承諾制政策

2.3.1.関連条項

 2018年発布、施行の「上海市行政審査批准告知承諾管理弁法」(府令4号)第2条(定義)に「本弁法に称する告知承諾とは、公民、法人およびその他の組織が行政審査批准申請を提出し、行政審査批准機関がその審査批准条件と提出を要する資料を一度に告知し、申請者が書面形式にて審査批准条件に合致することを承諾し、行政審査批准機関が行政審査批准決定を行う方式をいう」、第11条(審査批准決定)に「行政審査批准機関は申請者の署名捺印を経た告知承諾書および告知承諾書に約定した資料を受領後、その場で行政審査批准決定を行うことができる場合は、その場で行政審査批准決定を行わなければならない。相応する行政審査批准証書は法により申請者に送付する」とあります。つまり上海では、行政手続きの実務を進める上で申請者にとって従来より負担が少なくて済む便宜的措置が講じられているということです。

 教育訓練に関する行政許可は前置審査批准事項でありますが、改革試行地区として上海自由貿易試験区のある上海市浦東新区を対象する試行が3年間行われ、2015年の「国務院:上海市「工商営業許可証の取得手続きと経営許可証の取得手続きの分離」改革試点の展開総合プランに関する回答」(国函〔2015222号)の中では、中外合作職業技能訓練機関設立審査批准についても「告知承諾制の全面的な実行」事項とされました。

 2016発布、施行の「浦東新区における中外合作営利的職業技能訓練機関の設立につき告知承諾実施に関する弁法」(滬人社職発〔201610号)では第4(告知承諾の実行の範囲)に「合作訓練機関の設立は、設立準備と正式開業の二段階に分け、この内、設立準備は告知承諾制を実施する」とあり10条(告知承諾書の効力発生と保存)に「浦東人社局が申請者の規定により提出した設立準備申請書と署名捺印をした「告知承諾書」を受領後、「告知承諾書」上に公印を捺印し、設立準備申請に同意しなければならない」とあります。また、分公司が設立可能であることが第13条から分かるとともに、第17条第2項に「「国務院弁公庁自由貿易試験区外商投資参入特別管理措施(ネガティブリスト)の印刷配布に関する通知」(国弁発〔201523号)に基づき外商独資営利的職業技能訓練機関を設立する場合は、本弁法を参照して執行する」とあり、自由貿易試験区内に限って外資独資による営利的職業技能訓練機関の設立が可能であることが明確に定められました。

 これらの内容は、2018年発布、2019年施行の「上海市において告知承諾制による中外合作営利的職業技能訓練機関設立の全面的推進に関する弁法」(滬人社規〔201847号)2条第1により、従来の浦東新区のみに適用から上海市全域で適用されることになりました。外資独資が可能なのは自由貿易試験区のみであることは変わりませんが(第17条第2、中外合作であれば上海市全域で告知承諾制による手続き上の便宜的措置が講じられています

 

2.3.2.実務フロー

 現在、手続きの流れとして、外資独資であるか中外合作であるかを問わず、上海で営利的職業技能訓練学校を設立するならば、「学校」「学院」「大学」等の文字を会社名称に入れずに「職業技能訓練」という業界名を入れた会社名称にし(第6条)、登録登記(設立準備)と商務届け出を行い、営業許可証の発行日から30日以内に「告知承諾書」の約定に基づいて設立準備申請書類を提出し(第7条)、申請者が行政審査批准機関の「告知承諾書」を受領後に、必要事項を記入した上で署名捺印した「告知承諾書」を提出し(第9)、行政審査批准機関がこれらを受領したら公印を押捺して設立準備申請に同意しなければならず、双方が署名捺印した時点から効力が発生します(第10)。そして、市場管理監督部門に対して営業許可証等を申請して取得後、まだこの段階では学生をまだ募集できないものの、そこから6か月以内の設立準備期間に入(第11条)、そして設立準備が整った段階で正式開業の申請を提出し、実地検査等に合格して許可を取得できたら、正式開業のものへ営業許可証変更を行って(第12条)ようやく開業となります。

 なお、「国務院:全国において「工商営業許可証の取得手続きと経営許可証の取得手続きの分離」改革の推進に関する通知」(国発〔201835号)により、浦東新区で試行された事項が、今後何度かに分けて全国的に実施されることになりましたが、その初回のリストの中に教育訓練関連は入っていないため、上記の改革は当面引き続き上海市でのみ実施されるものと思われます。

 

2.3.3.弁学許可証

 確かに所在区の人的資源社会保障部門の許可の取得が必要ではありますが、上記の上海の弁法の中では審査批准という言葉が繰り返し出てくるのみで、「弁学許可証」という文字は直接出てきません。

 「上海市終身教育促進条例」(2011年発布、施行)の中で「非営利的訓練機関を設立する場合は、申請者はの関連規定にしたがって、教育行政部門または人的資源及び社会保障行政部門に対して審査批准手続きを行い、弁学許可証を取得した後、法により单位法人登記または非企業单位法人登記を行わなければならない26というように、弁学許可証」という言葉が明確に現れ、その取得を前提としていますが、「営利的営訓練機関を設立する場合は、申請者が工商行政管理部門に名称仮登記手続きの申請を行い、その後で工商行政管理部門に対して登記申請を提出しなければならない27条第1、「工商行政管理部門は関連申請資料を教育行政部門または人的資源及び社会保障行政部門に送付して意見を求め、教育行政部人的資源及び社会保障行政部門は書面の意見を速やかに送り返さなければならない2、「工商行政管理部門は書面の意見を受領後、登記を許可するか否かの決定を行わなければならない登記許可の決定を行った場合は、「法人営業許可証」を交付し、かつ教育行政部門または人的資源及び社会保障行政部門に写しを送付する登記不許可の決定を行った場合は、書面にて理由を告知しなければならない3とあり、確かに許可は必要であるものの、「弁学許可証」という言葉は直接出てきません

 2017年発布、2018年施行の「上海市営利的民営訓練機関管理法」(弁発201782号)では2条(適用範囲)第2項に「本弁法にいう営利的民営訓練機関とは、上海市の行政区域内において、教育部門または人的資源社会保障部門が許可し、工商行政管理(市场監督管理)部門において法人登記を行い、国家機関以外の法人または自然人が非国家財政的経費および非寄付資産を利用して、社会に対して設置して文化教育または職業技能訓練に専門的に従事する公司制企業法人をいう」とあり、10条(許可証発行の記録設立を許可した営利的民営訓練機関に対して審査機関は速やかに「学校弁学許可証」(以下「許可証」というを発給し、かつ市教育部、市人力資源社会保障部門に報告して記録させなければならないというように「弁学許可証」が明確に出現し、その取得が定められています。

 

2.4.条例改正の動向

 中華人民共和国民営教育促進法実施条例の改正案は、2018年に2つのバージョンが示されました。2018420日の「教育部中華人民共和国民営教育促進法実施条例(改正草案)(意見募集稿)」公開意見募集に関する公告」では21条にて弁学許可証の取得を定める一方で、第15条第3項にて「成年人に対して文化教育訓練、非学歴継続教育を展開するか、または言語能力、芸術、体育、科学技術探究的な学習の素養の向上個性発展に資する教育教学活動を実施する訓練機関は、法人登記を直接申請することができるが、1項にめる文化教育活動を展開してはならない。法律、法規およびその他行政規範性文書に別段の定めがある場合はその規定に従う」とあるように、分野限定にて直接法人登記をすればよく、許可は不要であるようにも解することができます。

 2018810の「司法部中華人民共和国民営教育促進法実施条例(改正草案)(審査稿)」公開意見募集に関する通知」でもほぼ同様に第24条にて弁学許可証の取得を定める一方で、第15条第2項にて「言語能力、芸術、体育、科学技術探究的な学習の素養の向上個性発展に資する教育教学活動を実施する営訓練教育機関、および成年人に対して文化教育訓練、非学歴継続教育を展開する営訓練教育機関は、法人登記を直接申請することができるが、1項にめる文化教育活動を展開してはならない。法律、法規および院行政規範性文書に別段の定めがある場合は、その規定に従う」とあります。しかしながらこれらはパブリックコメントを求めるための草案であり、20198月現在、正式なものはまだ発表されていません。

 職業訓練ではありませんが、2018822日付けで発布された「国務院弁公庁:校外訓練機関発展の規範化に関する意見」(国弁発〔201880号)には「中小学生に対する校外訓練機構(以下、校外訓練機構とする)が展開する非学歴教育訓練」について、「三、法による審査批准登記」「(五)弁学許可証と営業許可証の完備を確実に保証すること。校外訓練機関は必ず審査批准を経て弁学許可証を取得した後、登記をして営業許可証を取得し(または事業単位法人証書、民営非企業単位登記証書、以下同様)、ようやく訓練を展開することができる」とあり、「(十七)特別管理の実施」「各地は校外訓練機関特別管理業務を展開し、全面的に逐一調査を行い」、「問題が存在する訓練機関に対して逐一の改善を完遂すること」を求めており、取り締まりを強化している模様です。

 2018115日の政権トップによる演説の中では、今後の外資に対する持ち株比率制限緩和に関して医療等と並んで教育も列挙しており(2018115日付け「新華網」「習近平氏の第一回中国国際輸入博覧会開幕式上の主旨演説(全文)」)、長期的にはその方向で動いていくものと思われ、201986日に発布された「国務院:中国(上海)自由貿易試験区臨港新エリア総合プランの印刷配布に関する通知」(国発〔201915号)の中でも「電信、保険、証券、科学研究と技術サービス、教育、衛生等の重点分野において対外開放の度合いを拡大する」とあります。

 また、201965日付けの「人民日报」(海外版)「中外合作弁学アップグレード版を打ち立てる」によると「「中外合作弁学条例」およびその実施弁法を急ぎ改正する」「実際上、関連改正業務は2016末にすでに始まっており、改正後の文書草案が発表されるのはそう遠くはないと期待ができる」とあり、民営教育促進法実施条例や中外合作弁学条例の改正動向には引き続き注視が必要です

 

3.外資系職業訓練公司の設立事例

 2019319付けの「労働報」「上海は8社の外資職業技能訓練機関を引き入れた」によると、その時点でビジネスプランニング、介護、美容等の分野の職種に関して、米国、日本、スイス、オーストラリア、香港台湾地区から8つの有名ブランドを浦東に引き入れたとのことです。

 ネット上での公開情報をもとに、上海以外のものを含め、外資系職業技能訓練公司の設立事例の一部を下記のとおり列挙してみました。

瑞伯職業技能培訓上海)有限公司:外国法人2社合作(スイスIfFP Institut für Finanzplanung AG等)によるフィナンシャルプランナー講座

湖北中泰職業技能培訓有限公司:外国法人独資(タイ資本)

永道商技能培(上海)有限公司:台湾香港マカオ法人独資(PricewaterhouseCoopers)によるビジネス講座、深圳にも分公司を設立済み

安永商技能培(上海)有限公司:台湾香港マカオ法人独資(Ernst & Young)によるビジネス講座

銘爾伝(上海)餐飲文化技能培訓有限公司:台湾香港マカオ法人独資(フランスAlain Ducasse Educationと提携した香港資本)による調理師講座

有利華職業技能培(南京)有限公司:台湾香港マカオ法人独資(香港証券取引所に上場のYau Lee Group

葉睿職業技能培訓(上海)有限公司:中外合作(Development Dimensions InternationalDDI)等)によるリーダー育成講座

広州市博爾泰斯職業技能培訓有限公司:中外合作(シンガポールAssets Training & Technical Services Pte Ltd (ATTS))による英国JT LimitedCompEx防爆資格取得講座

 

4.おわりに

 201942付けの「朝日新聞」「吉本興業、上海でエンタメ学校 新喜劇の芸人も講師派遣」によると、日本の吉本興業が中外合作にてエンタメ人材育成学校を20203月に上海にて設立するとのことであり、ますますの期待がもたれます。一方では、2018619日付けで発布された「教育部弁公庁:一部の中外合作弁学機関およびプロジェクトの終止批准に関する通知」(教外庁函〔201839号)によると、5つの中外合作弁学機関、それと、東北財経大学と立命館アジア太平洋大学、北京大学と香港大学、清華大学とオーストラリアUniversity of Technology Sydney、復旦大学と香港大学等を含む229の中外合作プロジェクトが当局から終止を許可されたことになっています。よって、中国大陸における教育業界への投資には、強い信念や実行力が不可欠だろうと思われます。

 

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